ルーフライニングとは
車の天井部分の内張の事をルーフライニングと呼びますが、ポルシェに限らず外車はよく剥がれて垂れ下がる事があります。
大半の車は接着剤で貼っており、尚且つ外車の場合、国産車に比べて高温多湿な日本の気候を考慮しきれていない接着剤の使用により垂れ下がるのだと思います。
なぜポルシェ911の997以前のモデルは天井が剥がれて垂れないのか
実は997以前のモデルはルーフライニングを接着剤で貼っていないんです。以前デジタルインナーミラー取り付け時にバックカメラ配線を取り回す際、内装を剥がしてその作りに気づき、その手間のかかる天井の作り込みに感激し、非常に嬉しく思いました。
どういう事かというと997以前のポルシェ911は天井のルーフライニングの生地の端などをズボンのゴム紐などを通す部分のように筒状にしてそこにフレームを通しまるで凧のようにして作成し、その凧状の天井のフレームをフックで天井に止める形で天井が張ってあります。
天井の内側にテントを張ってるようなイメージです。
それもあって立体感があり私は非常に気に入っております。
オープンカーの幌の内装の様な感じにも見えます。
したがって、生地自体が破れたり、フレームやフックの金属が変形、もしくは破損しない限りルーフライニングが垂れ下がらないのです。
フォルクスワーゲングループによる買収前後での作り込みの違いが原因?
大量生産車の作り方としては接着剤で貼る方が効率的かつコストパフォーマンスが良いのでしょうが、この時代までの非効率でも独特の作り込みは非常に好ましく今のポルシェにはない魅力だと思います。
ボンネット開けた時にエンジン自体が見えるのも997型までなのでそこも好きですし、今の911とは違う点がきっと他にもあると思います。今後、乗ってるうちに新しくそういった点を見つけるのも楽しみです。
2012年にポルシェ社はフォルクスワーゲングループに買収されており、買収前後辺りからポルシェのモノづくりが大量生産を意識した形にかなり変わってきた様に見えます。
997時代でもトヨタからカイゼン方式を学んだり大量生産のノウハウは出てきていますが、その影響が強くで始めたのが991型からだと思います。
最新のポルシェ992等の華やかな内装ではありませんがこういった作り込みを見てまた997の事がますます好きになりました。
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